2021-7-31 今週の米国株状況
- 今週のNASDAQは-168.03、-1.15%で下落。S&P500、NYダウも下落でリスクオフ継続
- アマゾン決算は予想外のミス。ピンタレストはユーザー増鈍化で暴落。
- 重要な週を大きな混乱なく乗り越えたが、来週は7月雇用統計発表。ISM指数にも注意。
今週のNASDAQは-168.03、-1.15%で下落。S&P500、NYダウも下落でリスクオフ継続
金曜日の米国株式市場の終値です。
NASDAQは-105.58、前日比-0.71%の下落、
S&P500は-23.89、前日比-0.54%の下落、
NYダウは-149.06、前日比-0.42%の下落でした。
S&P500が4,395.26、
NYダウが34,935.47でした。
月曜から金曜までの今週の変化はそれぞれ、
NASDAQが-168.03、-1.15%の下落、
S&P500が-27.04、-0.62%の下落、
NYダウが-208.84、-0.60%の下落となりました。
先々週は下落、先週は大幅上昇、そして今週はまた下落です。GAFAM始め、重要決算が集中し、FOMCも開催された今週でしたが、先週のリスクオンの流れは続かずリスクオフとなりました。10年債がリスクヘッジで買われ高騰、金利は1.22%とかなり低い水準まで下がっています。
アマゾン決算は予想外のミス。ピンタレストはユーザー増鈍化で暴落。
アマゾンの2Q決算が木曜のアフターマーケットで発表されました。EPSが、予想を2.8ドル上回りました。売上が、予想を20億ドル下回りネガティブサプライズとなりました。
また、3Qの売上ガイダンスは、予想を60億ドルから最大120億ドルも下回り、明らかな成長減速を示唆しました。
以上から投資家から悲観され、金曜の終値は-7.57%と暴落。悲観的なセンチメントは他の銘柄も巻き込み、指数全体に影響を及ぼしています。しかし、アマゾンの暴落ほどは他の銘柄が投げ売られてはいないので、アマゾンショックと呼ぶにはまだ早いでしょう。
続いて、ピンタレストの2Q決算です。EPSが、予想を0.12ドル上回りました。売上は、予想を51百万ドル上回りました。売上は対前年比125%の成長です。
しかし、グロース銘柄にとって売上収益よりも重要なMAU(月間アクティブユーザー)は、予想を30百万人下回り成長鈍化。その内訳は、北米が5%のユーザーを失い、その他の地域は13%の増加ということでした。
これを受け、ピンタレスト株は投げ売られ、金曜の終値は-18.24%と大暴落。先週のスナップチャットの決算好調を受け、広告収益モデルの銘柄が期待で株価上昇していたのでダメージも大きかったです。
アマゾンとピンタレストの減速は、新興勢力の登場と競争激化を考えさせられます。
アマゾンのEコマース事業にとってのライバル、ショッピファイ(SHOP)は水曜のプレマーケットで決算発表をしており、サブスク事業が対前年比+70%の成長。マーケット事業が+52%と成長率でアマゾンを上回ります。ただし、株価は奮っていません。
ひたひたとアマゾンのEコマース事業の売上を削っていってるのではないでしょうか。一方、アマゾンの利益はAWS、すなわちクラウドサービスが生み出しています。こちらは、マイクロソフトのAzure、グーグルのWorkspaceがひたひたと迫っています。
ピンタレストにとっては、ショート動画メディアが新たなライバルと見ています。TikTokやスナップチャットがそうですね。ピンタレストは、画像を並べて閲覧しやすいというのと、最近では動画にも力を入れてきていますが、ユーザーの行動様式の変化にフィットしなくなってきている気がします。
スマホの小さい画面では不利なんですね。また、どうしてもコンテンツの対象がモノに偏りやすく、広告出稿の範囲も狭くなりがちです。今後の株価上昇は厳しいと思います。まだまだ下落しそうな気配ではあります。
重要な週を大きな混乱なく乗り越えたが、来週は7月雇用統計発表。ISM指数にも注意。
GAFAM決算は、アマゾンのみ売上ミスで、その他は好決算でした。しかし、株価が上昇したのはグーグルのみ。全体としては軟調で、指数にも影響していますが、混乱までは至っていません。
また今週行われたFOMCでは、パウエル議長の声明に注目されましたが、テーパリングの議論を開始した。と、サプライズなしでした。今のところ、上手くコントロールされている印象です。
市場のコンセンサスとしては、8月のジャクソンホールでテーパリング日程の発表、年末から年始にかけてテーパリング開始というところが大方の見方です。
ですが、最近の10年債金利の動向や、パウエル議長の相次ぐハト派姿勢の発言から、テーパリングは遠のくという見方が強くなってきました。
デルタ株の感染拡大、再度のロックダウン懸念もそれを手伝っているでしょう。昨日、米国疾病対策センター(CDC)は、デルタ株の感染力の高さと、ワクチン接種者への感染が大半に見られること、重症化の可能性について調査結果を発表しました。
来週は、月火とISM景気指数、金曜に7月雇用統計が発表されます。不透明感が強まる中、これらの内容は株価にはもちろん、テーパリングの行方にも影響しそうです。
うさはアマゾンの決算で再び悲観的な予想に変えました。持っていたアマゾン、グーグル、QQQを処分し、再びテックの3倍ショートETFであるTECSを購入しています。一旦は、ジャクソンホール、9月のレイバーデイあたりまで見極めて、ポートフォリオを構築しようと考えてます。
今日は以上になります。 夜はちゃんと寝ましょうね。