2021-9-4 今週の米国株状況
- 今週のNASDAQは+97.63、+0.64%で上昇、最高値更新。S&P500小幅上昇、NYダウは小幅下落
- 8月雇用統計はネガティブサプライズ。ISM景気減速、人・物が足りない悲鳴
- 10年債金利は上昇、レイバーデイ明けの株価下落を警戒
今週のNASDAQは+97.63、+0.64%で上昇、最高値更新。S&P500小幅上昇、NYダウは小幅下落
金曜日の米国株式市場の終値です。
NASDAQは+32.34、前日比+0.21%の小幅上昇、
S&P500は-1.52、前日比-0.03%の横ばい、
NYダウは-74.73、前日比-0.21%の小幅下落でした。
S&P500が4,535.43、
NYダウが35,369.09でした。
月曜から金曜までの今週の変化はそれぞれ、
NASDAQが+97.63、+0.64%の上昇、
S&P500が+6.64、+0.15%の小幅上昇、
NYダウが-30.75、-0.09%の小幅下落となりました。
8月の雇用統計発表を控え、今週は出来高が少ない閑散相場となり指数の動きもマイルドでした。金曜の雇用統計発表は予想を外しましたが、市場にはいったん冷静に受け止められ大きな崩れにはなっていません。来週は月曜がレイバーデイで祝日のため、火曜からのオープンとなります。
8月雇用統計はネガティブサプライズ。ISM景気減速、人・物が足りない悲鳴
重要な1週間が終わりました。まずは、8月雇用統計の発表です。
注目の、8月の雇用統計は、非農業雇用が前月比23.5万人増と、予想の72.8万人増を大幅に下回りました。デルタ株感染拡大のため、飲食サービスの雇用が弱かったようです。
失業率は、予想と一致し5.2%。人手不足の声があがる一方、雇用の伸びは鈍いという、需給バランスの悪い状況が続いています。
これで、9月FOMCでのテーパリング発表はさらに遠のきました。11月FOMCでの発表が濃厚となっています。
また、金曜は8月ISM景況感の発表もされました。50以上が前月より景気が良いという指標で、8月は予想が61.5に対し、結果は61.7と上回りました。しかし、7月からは鈍化しています。
相変わらず強い景気回復を示していますが、デルタ株感染拡大の影響で鈍化を見せ始めたという印象です。
詳しく見ていくと、需要が非常に強いながらも、人手不足、物不足で供給ができない状況で、時給や物価の高止まりは依然としてあるようです。インフレ懸念が燻っています。
雇用統計、ISM双方からわかるのは、需給のバランスが非常に悪い。要因となったのはデルタ株感染拡大ということでした。
10年債金利は上昇、レイバーデイ明けの株価下落を警戒
雇用統計が予想以上に悪かった。だから、テーパリングが遠のいた。その結果、ハイテク主体のNASDAQが上昇した。これはある意味正しく、ある意味警戒が必要です。
米10年債金利は1.3%を越え、上昇しました。債券投資家は売っているということですね。これは何を意味するのでしょうか。
1つは今回の雇用統計の悪さは一時的という見方をされたということ。テーパリングの開始は修正不要でシナリオ通りという思惑です。
もう一つは、雇用統計の時給の高止まり、ISMの人・物不足から来るインフレへの警戒です。
レイバーデイ明けに、米国債の入札が実施されます。これが不調に終わると、米国債は下落、金利は上昇し、株価は大きく下げることが予想されます。
今週わかったことは、株式投資家と債券投資家は全く別の受け止め方をしたことです。投資規模からいくと圧倒的に債券の方が大きいので、市場への影響力があります。
毎年、レイバーデイ明けは相場が崩れやすいこと。これを頭に置きながら、米10年債金利の動向に注意して、来週の米国株市場を迎えたいですね。
今日は以上になります。 夜はちゃんと寝ましょうね。